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親が不機嫌になると、空気がピリつく。何か言えば怒られるかもしれないと感じて、言いたいことが言えない。
そんな日々を繰り返すうちに、「自分さえ我慢すればいい」「自分がもっと気をつければ」と、いつのまにか親の機嫌を取ることが当たり前になっていた……。
このような経験は、実はあなただけではありません。
私も、親の機嫌取りに疲れ果てたひとりです。
本来、親は子どもの心を守り、安心できる存在であるはずです。
しかし、親自身が未熟だったり、感情をコントロールできない場合、子どもが“親を支える側”になってしまうことがあります。
この記事では、母親や父親の機嫌に振り回されて育った子どもが抱える心理的な影響と、その苦しさから抜け出すための対処法を解説します。
ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
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なぜ親の機嫌を取ってしまうのか？
親の感情が不安定
親の感情が日によって大きく変わるような家庭で育つと、
と、子どもは常に親の様子をうかがうようになります。
たとえば、昨日は笑っていたのに今日は突然怒り出す――そんな理不尽な態度を繰り返されると、子どもは安心して甘えることができません。
このような家庭では、「親の感情が安定していない＝自分がどう振る舞うかで状況が変わる」と子どもが誤って学習してしまいます。
その結果、「親の機嫌は自分の責任」と思い込み、怒らせないようにと過剰に気を遣うようになるのです。
このような親の情緒不安定さは、子どもの精神的な安全基地を失わせ、「顔色を読むことが当たり前」という危険な思考パターンを根づかせてしまいます。
「怒らせてはいけいない」という恐怖
そんな思いから、親に逆らわずに言うことを聞く。これが当たり前だったという人は少なくありません。
親を怒らせないようにすることが、生きる上での“防衛手段”になっていたのです。
このようにして育った子どもは、自分の本音を押し殺すクセが身につきます。
自分の感情よりも、まず親の機嫌を優先するようになり、その結果「自分がどうしたいのか」がわからなくなっていくのです。
という恐れから、親の理不尽な要求にも従い続けてしまうのです。
これは愛情ではなく、恐怖に基づいた行動であり、本当の意味での信頼関係とはいえません。
親と共依存の状態
共依存とは、他者との関係において「相手の感情や問題を自分が何とかしなければ」と感じ、無意識のうちに自分を犠牲にしてしまう状態のことを指します。
この関係性では、自分の欲求や感情を後回しにし、相手を支えることで安心感や存在価値を得ようとします。
親の機嫌を常に気にして育った人は、知らず知らずのうちに、この「親子の共依存関係」になってしまっていることがあります。
たとえば、親が不機嫌になると「自分のせいだ」と感じ、何とか機嫌を直してもらおうと必死に行動する。
このような対応を繰り返すことで、親に依存されながらも、自分もまた親に依存してしまう関係ができあがるのです。
この共依存のパターンは、家庭内にとどまらず、恋愛や職場などの人間関係にも起こります。
自分の気持ちを押し殺し、相手に尽くしすぎてしまうことで、次第に心が疲れ果て、「人間関係がしんどい」と感じやすくなる傾向があります。
親子逆転の状態
本来、親は子どもの成長を見守り、支える立場です。
ところが、親が精神的に未熟であったり、自分の感情を適切に処理できない場合、その役割が逆転してしまうことがあります。
これがいわゆる「親子逆転」と呼ばれる状態です。
たとえば、母親がパートナーとの不満や生活の悩みを子どもに相談したり、父親が仕事のストレスや孤独感を子どもにぶつけるようなケースです。
本来であれば大人同士で共有すべき内容を、子どもが受け止めさせられてしまう。
これは子どもの心に過剰な負担をかける非常に危険な関係性です。
このような状態が続くと、子どもは「自分が親を支えなければ」と思い込むようになり、自分の感情や限界を無視してでも親に尽くそうとします。
その結果、自己肯定感が低くなり、人に頼ることや甘えることができなくなる場合もあります。
こちらの記事↓では、子どもが親の面倒を見ることになってしまう「親子の役割逆転」について詳しく解説しています。
親の機嫌に振り回された子どもの苦しみ
親の顔色ばかりを気にして育った子どもは、一見「いい子」に見えるかもしれません。
しかしその裏では、深い心の傷や葛藤を抱えていることが多くあります。
「親の機嫌を取る」ことが習慣になっていた子どもは、自分の感情を後回しにし、他人に合わせることでしか人間関係を築けなくなる傾向があります。
ここでは、そのような子どもが抱える具体的な苦しみについて解説します。
自分の感情を抑え込む
親の機嫌を損ねないようにするあまり、子どもは自分の感情を出すことを諦めてしまいます。
その結果、「嬉しい」「悲しい」「腹が立つ」といった“自然な感情”を感じにくくなり、感情表現そのものが苦手になります。
このような感情の抑圧は、大人になってからうつ状態や不安障害としてあらわれることもあります。
「自分さえ我慢すれば」と思い込む
親の機嫌が悪いとき、
と思い込むことで、子どもは自分を責めるようになります。
本来であれば親に問題があったとしても、子どもはそれを受け入れる準備ができておらず、自分を納得させるために“自己犠牲”という形で状況を解釈してしまうのです。
この思考パターンは、大人になってからも人間関係に影響をあたえます。
たとえば、
など、自己犠牲的な行動をしてしまいます。
無意識のうちに「自分が我慢すればうまくいく」と、思い込んでしまうのです。
他人に尽くしすぎる
親の機嫌を取ることを最優先にして育った子どもは、「自分を後回しにして他人に尽くす」ことが習慣化してしまいます。
これは一見、優しさや思いやりに見えますが、実際には自己否定に基づく行動です。
無意識に、
といった思いを抱えていることが多いのです。
その結果、自分の感情や限界に気づけなくなり、燃え尽き症候群や人間関係の疲弊を引き起こすこともあります。
と感じる人は、この思考パターンが影響している可能性があります。
親の機嫌を取り続けた子どもが受ける影響
親の機嫌を取ることが当たり前だった子どもは、大人になってからも同じような人間関係のパターンを繰り返す傾向があります。
それは、無意識のうちに身についてしまった「生き方のクセ」であり、自分でも気づかないまま心をすり減らしてしまうのです。
ここでは、親の機嫌取りを習慣としていた人が、大人になってから直面しやすい心理的・社会的な影響について解説します。
人間関係で顔色をうかがってしまう
という不安から、常に周囲の空気を読み、相手の顔色を気にして行動してしまいます。
これは、親に対して身につけた行動パターンがそのまま他人にも適用されている状態です。
その結果、
など、対人関係において“自分がない”状態におちいりやすくなります。
自己肯定感が低くなる
親の機嫌を取ることを優先してきた人は、
といった感覚を置き去りにしてきた傾向があります。
そのため、「自分の価値を自分で認める」という感覚が育ちにくく、他人からの評価や承認に依存してしまいます。
たとえば、
なども、根底にある“自分には価値がないのでは”という無意識の思い込みが影響している可能性があります。
「NO」が言えない
親の顔色をうかがいながら育った人は、自分の意志よりも相手の期待を優先するクセが根強く残っています。
そのため、
ことがあります。
これは、かつて親に逆らったときに「怒られた」「無視された」「見捨てられた」などの体験がトラウマとして残っている可能性があるからです。
本来、健全な人間関係において「NO」は必要な自己主張であり、悪いことではありません。
しかし、親との関係の中で“断る＝悪い子”という刷り込みがあると、NOを言うことに強い不安や罪悪感を感じてしまうのです。
「いい人」なのに生きづらい
周囲からは「優しい人」「気がきく人」と思われることが多くても、内面では、
などの思いを抱えています。
こうしたギャップも、親の機嫌取りを続けてきた人に多く見られる特徴です。
人に尽くし、気を遣い、「いい人」であろうとするあまり、自分を犠牲にしてしまう。
このような生き方は、一見うまくいっているように見えて、実はとても不安定で、心が休まることがありません。
周囲に合わせることで関係がうまくいくように見えても、それは“本当の自分”が求めている関係性ではないのです。
親の機嫌取りをやめるための対処法５つ
長年、親の顔色をうかがいながら生きてきた人にとって、「親の機嫌取りをやめる」というのは簡単なことではありません。
しかし、自分を犠牲にしたままでは、心が疲れ続けてしまいます。
ここでは、親の機嫌取りをやめるための対処法を５つご紹介します。
自分の感情に気づく
親の機嫌を最優先にしてきた人ほど、自分の感情を感じることが苦手です。
といった思いに、まずは気づくことが大切です。
そのためには、日々の出来事に対して「今、自分はどう感じているか？」と問いかけてみる習慣を持ちましょう。
日記やメモに書くことも効果的です。
感情に気づく力は、親との健全な距離を築く第一歩になります。
「親＝絶対」という思い込みを見直す
子どもの頃は、親の言うことがすべての基準になります。
しかし、成長した今、親の価値観が“絶対”である必要はありません。
といった思い込みが、あなたを縛っている可能性があります。
まずは、「親も一人の未熟な人間」と事実を受け入れてみましょう。
親に支配されていた心が、少しずつ自由になっていくはずです。
こちらの記事↓では、子どもに気を使わせる、精神的に「未熟な親」の特徴と対処法を詳しく解説しております。
心の境界線を意識する
心の境界線とは、自分と相手の心を区別して、健全な人間関係を築くための心理的な線引きのことです。
親が不機嫌なときに「自分のせいだ」と感じるのは、境界線があいまいになっているからかもしれません。
「親の感情は親のものであって、自分が背負う必要はない」と意識することで、心理的な距離を保つことができます。
物理的な距離をとる（連絡を減らす・会う回数を調整する）ことも、心の安定を保つ上で大切な手段です。
NOと言う練習を始める
親に対して「NO」と言うことに、強い罪悪感を覚える人は少なくありません。
しかし、自分を守るためには、
とはっきり伝えることも必要です。
最初からうまく言えなくても大丈夫です。
小さなことからでいいので、自分の気持ちを言葉にする練習を始めましょう。
断ることは「わがまま」ではなく、自分を尊重する大切な行為です。
必要なら第三者に頼る
親との関係は、ときに非常に根深く、ひとりでは整理できないこともあります。
そんなときは、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
カウンセリングでは、親との関係で抱えた思いや、生きづらさについて、客観的に見つめ直すことができます。
誰かに話すことで、自分を責めるクセや思い込みから解放されるきっかけになります。
親の機嫌取りは「愛」ではない
「親のために」と頑張ってきた機嫌取りは、「愛」なのでしょうか？
親の機嫌を取ることは、「親から見捨てられないように」「家庭の中で安全に過ごすために」身につけた“生き残りの術”のように私は思います。
それは、親への本当の愛情ではなく、“恐れ”から来る行動だったのではないでしょうか。
ここでは、親の機嫌に振り回されてきたあなたが、自分の人生を取り戻すために大切な３つの視点をお伝えします。
親の感情は、子どもが責任を持つものではない
親が怒る、落ち込む、機嫌が悪くなる――それらはすべて、親自身の感情であり、親が自分で処理すべきものです。
しかし、幼い子どもは「自分のせいで親が怒っている」と思い込みやすいのです。
いつのまにか、
と背負ってしまいます。
しかし、それは本来、子どもが負うべき責任ではありません。
親の感情に振り回されるたびに自分を責めていた人は、「その責任は自分のものではなかった」と気づくことが、心を軽くする第一歩になります。
あなたの価値は「役に立つこと」で決まらない
親の顔色をうかがい、機嫌を取ることで家庭の中の“平和”を保ってきた人ほど、「自分は役に立たなければ存在価値がない」と思い込んでしまいがちです。
しかし、人の価値は「誰かの役に立つかどうか」では決まりません。
疲れているときに休んでもいい。嫌なことにNOと言ってもいい。
何もしなくても、あなたはそのままで価値のある存在なのです。
といった思い込みは、もう手放してもいいのです。
自分の人生を生きるという選択
親の機嫌ばかりを気にして生きる人生は、誰のための人生だったのでしょうか？
それは、他人の感情に支配された“借り物の人生”かもしれません。
これからは、
に耳を傾けることが大切です。
親との関係を見直すことは、「わがまま」でも「冷たい」ことでもありません。
むしろ、自分を大切にしようとする勇気ある一歩なのです。
“親のための人生”ではなく、“自分のための人生”を選ぶこと。
それは、あなた自身にしかできない決断です。
罪悪感なく親と距離を取るには？
親の機嫌に振り回され続け、「もうこれ以上関わるのがしんどい」と感じても、実際に距離を取るとなると、強い罪悪感にさいなまれる人は少なくありません。
「親不孝じゃないか」といった気持ちがわき上がり、自分を責めてしまうこともあるでしょう。
しかし、自分の心と体を守るために、適切な距離を取ることは決して悪いことではありません。
ここでは、罪悪感を減らしながら親との関係を見直していくためのヒントをお伝えします。
「自分が悪い」という思い込みを手放す
親の機嫌が悪いとき、「自分のせいだ」と思い込んでいた経験はありませんか？
子ども時代からそう感じてきた人は、大人になってからも、
と考えてしまいがちです。
でも、本当にすべてあなたのせいだったのでしょうか。
親の機嫌は親の課題であり、あなたがすべてを背負う必要はありません。
その責任を無意識に引き受け続けている限り、心の自由は得られません。
「自分が悪かったわけではない」と認めることは、罪悪感を手放す第一歩です。
親を変えようとしない
そう信じて関係を続けてきた人もいるかもしれません。
しかし、残念ながら他人（たとえ親であっても）を変えることはできません。
自分を犠牲にしてまで親を変えようとすることは、結果的に自分の人生を親に捧げることになります。
それよりも、自分の価値観・感情・時間を大切にする選択をすることの方が、ずっと建設的で健全です。
親を変えようとするのではなく、「自分がどう生きたいか」に意識を向けましょう。
適切な距離感は“冷たさ”ではなく“自立”
「親と距離を取る」と聞くと、拒絶や断絶のように感じるかもしれません。
しかし、心理的・物理的な距離を置くことは、“冷たい”のではなく“自立”の一環です。
たとえば、
なども、立派な距離の取りかたです。
自分の心を守るために必要な境界線を引くことは、相手を大切にする前提として、自分自身を大切にする行動でもあります。
親との距離が「ちょうどいい」と感じられるようになれば、関係そのものも穏やかなものに変化していく可能性があります。
親の機嫌を取り続ける人生から、自分のための人生へ
ここでは最後に、これまでの内容をふり返りながら、あなたが自分の人生を生きるために覚えておいてほしいことをお伝えします。
親との関係に悩むのは「おかしいこと」ではない
そう思って、自分を責めていませんか？
でも、親との関係は人生の土台となるほど大きな影響力を持ちます。
大人になってからも苦しさが続いているのは、それだけ深くあなたに影響しているからです。
決してあなたが弱いわけでも、未熟なわけでもありません。
親との関係に悩むことは、あなたが自分の心に誠実に向き合っている証です。
苦しさの原因を知ることが第一歩
そう思ったときは、まずその“背景”に目を向けてみましょう。
親の機嫌に振り回された過去や、共依存・親子逆転といった心理的パターンを知ることで、今の苦しさに「理由」があることが見えてきます。
原因がわかれば、「自分がおかしいのではなかった」と理解でき、少しずつ心の荷物が軽くなっていくでしょう。
「親との関係＝自分の価値」ではない
幼い頃から、
と思ってきた人は、無意識に「親との関係＝自分の価値」と結びつけてしまいがちです。
でも本当は、どんなに親とうまくいっていなくても、あなたにはあなた自身の価値があります。
あなたの存在は、他人との関係性で決まるものではありません。
誰にどう思われようと、あなたには幸せになる権利があります。
心の自由を取り戻す選択をしよう
「親の機嫌を取り続ける人生から、自分の気持ちを大切にできる人生へ」
それは、誰かにあたえられるものではなく、自分で選び取っていくものです。
私は、子どもの頃から親の機嫌取りをしてきました。そうしないといけないと思い込んでいました。
大人になって心理学を学んだことにより、私の生きづらさは、親に原因があると気がつきました。
当時は、親の機嫌取りが当たり前になっていて、その異常さに気がついていなかったのです。
この記事を最後まで読んでいただいたあなたは、もう気がついたはずです。
親の機嫌は親自身がとるもので、あなたが親の機嫌をとる必要はないのです。
しかし、いざ行動にうつすとなると、最初は不安で出来ないかもしれません。
たとえ小さなことでも、自分の気持ちを大切にする行動を続けていけば、少しずつ「自分の人生」が築かれていきます。
あなたの人生は、あなたのものです。
当サイトでは、毒親や他人を支配する人の対処法などを紹介しております。
性格が悪い人の心理や対処法を知り、人間関係を築くうえでの参考にしていただけたら幸いです。
こちらの記事↓では、「親が怖い」と感じる子どものストレスの原因と対処法について、詳しく解説しています。
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